アラカンで退職しても、退職金がない私。とうぜん正社員ではなかったし、地方では退職金がない会社も多い。
最後に勤めた会社では43歳から17年間勤めた。少しむなしかった。仕方ない。
高校卒業後、最初に勤めた会社では月給も毎年増えたし、年間のボーナスも月収の6か月分近くあった。ちょうどバブル期でもあった。第2子の出産を機に16年間勤めた会社を退職。退職金もまあまあ頂けた。
16年間頑張ってよかったと思った。
第2子が3さいになるまで専業主婦をしていた。
その後はパートやアルバイトをして、最後に勤めた会社では有期社員という立場で、長い間雇ってくれたことに感謝している。
そこを退職してから、1度だけハローワークに行き失業保険の手続きを申請に行った。
が翌日すぐにキャンセルした。理由はその時点でサロン経営をしていたから。
失業保険の係りの方の言葉がひっかかった。なんだか不正になるのは嫌だと思い。申請を却下した。
びくびくしながら失業保険を受給するのは切ないと思った。そういうのをあてにしないで、サロン経営を頑張ろうと思った。
しかし、時はコロナ禍。サロン経営は厳しかった。いやコロナのせいではない。私の経営に対する未熟さもあった。
ビルの1部屋を格安で借りていたので、家賃はあまりかからずにたすかった。
サロンの備品ももともとあるものを工夫して使っていた。夫が建築や内装の仕事の経験があったので
工事費もかからず改装できた。夫に感謝。
会社勤めをしている間に、お給料の中から必要な道具を買いそろえていった。満足とまではいかなかったが何とか店舗らしくなっていた。
ボディマッサージを中心に施術していたが、数人のお客様からフェイシャルエステもしてほしいという声があった。
フェイシャルエステを学ぶにはエステのスクールに通うということになるのだが、調べてみるとかなり費用が掛かることがわかりどうしたらよいか悩んでいた。でも、やりたいという気持ちは強くあった。
そんな時、始めてご来店されたお客様が「フェイシャルエステを学びませんか。お安く学ぶことができますよ」と声をかけてくれた。
私は少し躊躇したが、まずはこの方を信じて学んでみようと思った。
いままでの私なら、すぐには返事しないタイプであったが、ぽんと背中を押された感じで即答した。それから約半年間フェイシャルエステを学び、認定をもらうにいたった。
スクールに通う費用に比べると、格安で学ぶことが出来た。
それはそのお客様が勤めている、化粧品メーカーが主催していたスクールなのでその料金でできた。お客様のおさそいについて行って良かったと思った。
運が良かったとおもった。金銭的に余裕のない私にこういう形で、やりたいことができるようなめぐりあわせを頂いた。これはそのまま続けて頑張れという合図なのかなとも思った。
サロンのお客様にもエステモデルに協力してもらった。ありがたいことに皆様快くご協力してくださった。本当にありがたかった。
フェイシャルエステをメニユーにいれることになり、エステのマシン、化粧品の仕入れがはじまった。エステのマシンはローンにした。それもありがたかった。
サロンの経営はなんとかとんとんであった。自分の給料が出るにはいたっていない。
会社を退職して、毎月のお給料という収入がなくなった。
夫の収入と子供から食費を入れてもらい生活費は賄えた。
以前のように、洋服を新調しなくなった。新調する必要もないかなと思った。
美容室も頻繁にはいかなくなった。今までの贅沢を少し抑えるようにした。
それでも、サロン経営という仕事が私をふるいたたせてくれた。
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